NARD JAPAN(ナード・アロマテラピー協会)の研究・研修センターについて

研究・研修センター開設について  

以前よりスクールの先生方、会員の方からの要望として、精油の元となる植物に関する情報及び理解をもっと充実させる為、「実際の植物が栽培されている現場」や「精油を抽出する過程、ハーブウォーターの生成の現場」を見学出来る所があればと言う意見に対して弊会も当初より必要と考えていました。 アロマテラピーに対する関心は、加速度的に年々高まり、一般の方が精油に接することも多くなり、また医療関係などの専門分野の方も、取り入れる機会が多くなっています。

この様な状況に対し、将来的にアロマテラピーが評価され、さらに市民権を得ていく為には、今から精油のみならず薬用ハーブチンキ剤、ハーブウォーター等までを含んだものに対し作用特性の裏付けとなる内容成分・品質等につ いてNARD(ベルギー)からの情報を中心としているだけでなく、日本からもより具体的な基準を作成・提案していくことが弊会の大きな課題でもあり、役割であると考えています。 今後、関心が高まると思われる日本産のハ−ブの栽培・精油抽出(シソ、ユズ、ヒノキ等)についても、研究テーマとして、これらの問題に対応する為にも研究・研修センターを開設しました。





実験農場の栽培


温室にて各種ハーブの育成を実験(土壌、植込・収穫時期・標高などの諸条による変化)(1)

(1)第二農場に植込みする種類
ティートゥリー500株、ティートゥリ−・レモン100株、ラベンダー・アングスティフォリア300株、ユーカリ・ラディアタ 300株、ユーカリ・グロブルス300株、ユ−カリ・レモン300株、ゼラニウム100株、タイム・シネオール100株、レモンバーム100株、ペパーミント100株、スペアミント100株、アルベンシスミント100株、その他50種を植込み


レモングラス(2)

(2)2005年には薬用植物ガーデンを大規模に造成
レモングラス300株、ローズマリー・シネオール1000株、ラベンダー・スーパ−1000株、タイム・ツヤノール300株、エキナセア200株、ローズ・ダマスケナ50株、パルマローザ100株、レモンバ−ベナ100株、ジャスミン50株、セントジョンズワート100株、ローレル30株、その他精油事典にある種を温室栽培を含み順次植込み

(3)2007年には新たに6,500坪造成
  翌2008年にローズ6,000株植え付け

 

水蒸気蒸留による精油の抽出、ハーブウォーターの生成


水蒸気蒸留器写真(1)

(1)250L の水蒸気蒸留器を設置して本格的な実験が出来ます。 精油ですとハーブの種類によりますが、約100cc〜300cc位採油が可能です。 ハーブウォーターですと1回に100ccボトルが1500本位作れます。


水蒸気蒸留
写真(2)

(2)今年の抽出予定の精油及びハーブウォータ−
カモマイル・ローマン、ユーカリ・ラディアタ 、ユーカリ・グロブルス、ティートゥリー、ティ−トゥリー・レモン、ゼラニウム、ペパーミント、 レモンバーム、ジャスミン、ローズ、ラベンダ−・アングスティフォリア、ローズマリー・シネオ−ル、(オリエンタルハーブの実験として ユズ、ヨモギ、ヒノキ、ドクダミ等) ※ 7月下旬から9月下旬に抽出  

 

ガスクロマトグラフィー
ハーブの品種、土壌、収穫の条件、水蒸気蒸留の条件による変化を研究


液体クロマトグラフィーの写真


研究テーマ
 

  1. 同じ種の植物が収穫時期、土壌成分等の違いにより精油成分が、どの様に変化するのか  
  2. 今後アロマテラピーに有用と思われるハーブの品種研究
  3. 耐寒性を持つハーブの研究
  4. 日本産のハーブ栽培と精油成分の研究 (シソ、ユズ、ヒノキ等)
  5. 芳香性の強いハーブの品種開発
  6. 精油蒸留法の研究(蒸留時間、温度、気圧による精油成分の変化)
    ※ 収穫後すぐに蒸留した方が良い物、完全 (水分5%以下)に乾燥した方が良い物などハーブの状態による精油抽出の違い。 (2003年11月からテスト蒸留をくり返して おりますが、生の物を蒸留するよりも手間がかかりますが、乾燥室で乾燥したハ ーブの方が、香りが強く出るものも あります。)
  7. ドライハーブの成分を損なわない効率的な乾燥技術の研究
  8. ハーブウォーターのミネラル成分等の研究

    この様に研究テーマは山積みしております。 今後研究内容をNARD(ベルギー)、サザンクロス大学(オーストラリア)、日本ハーブ連絡協議会・山梨県立農業大学、山梨大学などの様々な研究機関と提携して、より精度が高く新しい情報を研究成果として、会員の皆様へ会報誌等に発表してますので、ご期待下さい。

ガスクロマトグラフィー


ガスクロマトグラフィー


会員の方の実習・見学による研修施設として

※実習・見学(蒸留体験、農場見学)の出来る日はスタッフ・運営の都合により毎月の日程とスタート時間は予め決定して、完全予約の上での受付と致します。 ( 詳細は事務局へお問い合わせ下さい。)  

設備を写真では紹介出来ない部分がありますので、会報誌等で植込み状況も含めてご案内致します。

 

NARD JAPAN(ナード・アロマテラピー協会)は、今後もアロマテラピーの発展に寄与する為、情報発信出来る機構へと常に充実させていきます。

 


実験農場からのレポート


重機を入れて開墾作業

土壌検査をし、残留農薬の有無をチェックし 農薬空中散布の心配が無い畑を確保する為、適地を求めてたどり着いたのがこの畑です。 山の頂上にあり、元ブドウ園で10年以上放置されたままの雑草地です。
まずブドウ園跡のコンクリート杭を抜き、鉄線を取り除き、ブルドーザーで畑全体を1mまで掘り起こし、表層を下に入れ雑草の種が、発芽しない様に開墾します。

6月〜8月は雑草の除草で明け暮れる毎日です。当初は近くの農家にお願いしましたが、彼等は除草剤と小型トラクターでの作業と思っていた様です。
我々の除草とはハーブを傷めない様に腰に除草した植物が入る大きな袋を縛りつけ、畑にかがみこむようにして「手ガンナ」で、ていねいに根を残さないようにするのが除草です。
農家の方々は呆れて退散。仕方なく山梨大学に農業支援のアルバイト学生を依頼し、腰が痛いと嘆く学生を、なだめながら、除草を続けています。


除草作業の様子


ラベンダー苗

この写真は植込み予定のローズマリー3種類とラベンダー・アングスティフォリアです。
写真では写っておりませんが、下段にマートル、ユーカリ・レモン、ユーカリ・グロブルス、ユーカリ・ラディアタ、ティートゥリー、レモングラス、シダー等が栽培されています。
以下の4つのパターンで研究中です。
●露地に植込み、防寒ナシ
●寒冷遮(寒さをしのぐ黒い、通気性のある布)で防寒
●トンネル式ビニールでの防寒
●ビニールハウス内で暖房設備を入れて、プラス10℃以上の設定  

甲府盆地を見下ろし左に富士山を頂く試験農場 (6月中旬)
●手前は花穂を沢山つけたカモミール畑に200m位近づくと、何とも言えない良い香りが辺り一面 に漂います。
●真中はスィート・フェンネル、植込み時の寒さが心配でしたが、よくぞ立派に成長してくれました。
●右側はアニスヒソップ植込みした全苗が根付きました。あと2ヶ月位で、濃い紫の花が楽しめます。


農場6月風景

タイム・ブルガリス

タイム・ブルガリス
山頂の寒い冬場のタイムは赤味を帯びた色になり、株ごとに寄り添うように生きています。 そして成長期の6月下旬一斉に花穂を付けたところを収穫します。 特にタイム・シネオールタイプは今までのものと違い、香りが強くパワーが感じられます。 寒風の中で耐えたこのタイムが、新しいケモタイプとなるか、今後の分析結果 を期待しております。  

山頂でのラベンダー・アングスティフォリアはすべて失敗。
2003年4月の新芽時期に枯れていることが解りました。寒い北海道で生育しているラベンダーもこの北風の強い畑では、冬を越すことが出来ませんでした。
このラベンダー・アングスティフォリアは100m位 下りた南向きの畑です。 同じ苗でもこの様に違います。 株に約50本の花穂を付けています。


ラベンダー